たんぽぽのたね
私たちが長崎県大村市で
保育をはじめたのが、1997年。
どんなに厳しい環境でも
たんぽぽの花が咲くように、
共に支え合い、共に笑いあい、
歩んできました。
これまでの歩みを振り返り、
これからの未来を見つめます。
1990-
「一生、こどものいる場所で生きたい」
はじまりは、そんな小さな願いから。
創業者の一人である堤 幸江は、当時ろう学校の教師をしていました。彼女には退職した後も、こどもとずっと一緒にいたい、という願いがありました。
こども達と過ごせる場所、さらには、そこにおじいちゃん・おばあちゃん達もいる、時代と共に失われつつある「多世代が入り混じる場所」をつくりたい。そんな想いに賛同した夫の堤 博行が、無認可保育園を立ち上げました。

2000-
「おおらかに、こまやかに、さりげなく」
を合言葉に。
平成17年、堤幸江が教員生活にピリオドを打ち念願の保育の世界へ。保育園で働くスタッフ達と共に歩んでいくために、ある言葉を掲げました。
それが、ろう学校時代に出会った言葉「おおらかに、こまやかに、さりげなく」。相手を信じて自発性を育む、この考え方を幼児保育の現場にも取り入れました。
保育の実践を支える理念の背景
「おおらかに、こまやかに、さりげなく」は、福祉教育者・近藤原理氏(1931–2017)の言葉です。近藤氏は、長崎県で障がい者と共に暮らし共に働く実践を通じ、地域共生社会への道を切り拓いた先駆者。その実践と理念は今もなお、地域福祉の発展と教育の現場に大きな影響を与えています。
- おおらかに
- 大きな心で受け止め、細かい違いにとらわれず、
人の個性を包み込むように受けとめること。
- こまやかに
- 目の前の変化や小さなサインにも気づき、
丁寧に配慮し、必要な場合は適切な支援を行うこと。
- さりげなく
- 手助けや導きも、自然に。押しつけることはせず、
相手の自発性を尊重してそっと関わること。
2010-
「たんぽぽさん、やってよ」の声に応えて。
「放課後児童クラブ」、
「児童発達支援施設」の設立
私たちたんぽぽグループは、
地域の皆さんが安心して過ごせるように、困っている人の声に耳を傾け、
自分たちにできることはなんだろう、と考え行動し続けてきました。
その結果が「児童の放課後の居場所をつくる」
「障がいを持った子への支援」につながり、
地域に開かれた場所が少しずつ形になっていきました。
放課後児童クラブ
当時は学童という言葉さえも定着していない時代。卒園したこども達やその保護者からの「卒園したこども達の居場所をつくって欲しい」という多くの声を受け、放課後児童クラブをスタート。当初、生徒は5人でしたが、現在は年間約350人のこども達がたんぽぽグループの学童クラブに通っています。
児童発達支援施設
障がいを持ったこどもを預けて療育が受けられる場所がないという切実な声から2015年より新設。もともと特性のあるお子さんの受け入れはしていましたが、もっと「個別」で支援する場を作りたいという想いから、福祉を専門的に学び資格を取得していた一人の保育士が中心となり、手厚い個別支援の体制を築きました。
2010-2020
「1番いい保育園にしたい!」
先駆けて取り入れた
「見守る保育」&「チーム保育」
先生がやってあげる保育が主流だった時代に、
こどもの主体性を重視した「見守る保育」を導入しようと、ある一人の保育士が動き出します。
当時はこれまでのやり方を変えることに抵抗があるスタッフも多く、
一年間に渡り粘り強く話し合いを重ねた結果、「見守る保育」への変革が実現。
それは「おおらかに、こまやかに、さりげなく」という考え方と「見守る保育」という実践がつながった瞬間でした。
成長していく、
たんぽぽの保育
たんぽぽグループの取り組みは「見守る保育」だけに留まりません。
複数担当制によるチーム保育の導入や選択制による保育など、
こども達にとってのベストを求めて「たんぽぽの保育」は常に進化し続けています。
やってあげる保育
見守る保育
保護者がこどものために先回りして手助けする保育から、こどもの力を尊重し、必要な時にだけ手をさしのべる保育へ。自分で考えて挑戦することで、達成感を得る機会が増え自己肯定感が高まります。
一担当制保育
チーム制保育
一人の保育者が複数のこどもを担当する保育から、複数の保育者で協力しながらこども達を見守る保育へ。保育の質が安定し、こどもも保育者も安心できる環境が整います。
一斉保育
選択制の保育
全員が同じ活動を一律に行う保育から、こどもが自分の興味や好奇心に合わせて活動を選べる保育へ。それぞれの個性が活かされ、主体的な学びが広がります。
「インクルーシブ保育」を
先駆けて
最近よく耳にする「インクルーシブ」という言葉。性別や年齢、人種、特性の違いなどを超えて共に支え合って生きていく概念のことです。たんぽぽグループでは創業より「人との関わりの中から優しさと強さを学ぶ」という精神のもと、日常的な高齢者とのふれあい、異年齢保育やろう学校との交流を大切にしてきました。これからも多様な社会の中で誰ひとり排除されない共生の社会を目指していきます。